2021年12月24日

昔介護士、今農家 by 長野のあおちゃん

こんにちは。スケッチランのぐちです。今回、あおちゃんに原稿を書いていただきました。
あおちゃんはランネットのダイアリー430仲間
今は430はないようです(間違っていたらすみません)

すっきりと晴れ渡る山、思わず深呼吸しそうになりました(笑)
写真もきれいですが、文章もさらさらと流れていてきれいです
どうぞご覧ください

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はじめまして。私は夫婦で農業を始めるために、2020年5月に愛知県から長野県へ移り住み、現在はパセリ農家を営んでいるあおと申します。愛知県に住んでいた頃は、ウィメンズマラソンや金沢マラソンなどに出走していました。

12月に入りここ長野県の八ヶ岳地方では、本格的に冷え込みが厳しくなり、八ヶ岳も雪で真っ白になりました。この1週間ほどで、山だけではなく里にも雪が舞うようになり、我が家の駐車場もうっすらと雪化粧をしていました。そのおかげで動物がやってきた痕跡もしっかり残るようになりました。

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長野県でもこの地方は、晴天率が高く雪が積もることは少ないです。しかし標高が高いせいか(我が家は標高900m付近)朝晩の冷え込みが厳しく、畑の土がカチカチに凍りつきます。厳冬期は畑作は不可能になり、この時期は多くの農家が畑作業をお休みしています。

ちなみに我が家は夏場に何を栽培しているかと言うと、パセリの栽培をメインとしています。今夏はサブ野菜としてズッキーニを栽培して、両方とも農協へ出荷していました。

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農業の難しさは、マニュアル通りにはいかないところです。天候はもちろん畑の土質、日当たり、風当り・・・畑が違えば全て変わってくるため同じように育てても、ここはうまく育っているけれどこっちはダメ×など、品質をそろえて栽培するのはかなりの経験を必要とします。
我が家は今夏、かなり遠くを通り過ぎた台風の風の影響を受けて、一晩でズッキーニの株、およそ200株ほどが全滅したことがありました。天候や病害虫などある程度のリスクは予想しているのですが、自分たちの予想をはるかに上回ってしまうのにはびっくりしました。その代わり自分たちの予想ややり方が、ばっちりハマった時はとてもうれしいし、農業って面白いなとも思います。

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冬場は全てが凍り付く寒さですが、春や秋はこんなランニングにもってこいの風景が広がっている地域です。ぜひ八ヶ岳のふもとの地方に皆さん遊びにいらしてください。

2021年12月13日

都筑緑道ランニングの愉しみ by 北島政明さん

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[茅ケ崎公園の楓]

都筑緑道は、横浜市郊外に広がる壮大な都市型緑道です。主要コースだけでも約15km、縦横に伸びた枝道までを丹念に辿ると優に20kmを超えます。初めて訪れたとき、あまりの広さと複雑さに私は緑道の中で迷子になって茫然としたほどです。春は桜、秋は紅葉。どうしても走って訪れたくなる私のお勧めコースです。

(末尾に、マップがあります。)

散在する大小多数の緑地公園を数珠つなぎに結んで縦横に広がる緑道群は、緩やかな起伏と蛇行をもって設けられているため、走り進むにつれて刻々と光景が変化します。富士山を展望できる小山あり、水鳥が泳ぐ池あり。「せきれいのみち」、「ささぶねのみち」、「ゆうばえのみち」などと名付けられた緑道の脇には、細やかな水の流れが作られていて桜や紅葉が映り込むのです。緑道のすぐ裏手には高層マンションがあるのですが、豊かな緑と起伏によって建物の姿は巧みに隠され、緑道を走っていると自分が実は街中にいるということを忘れてしまいそうです。

都筑緑道ができてから30年ほどだそうです。私も、ここに走りに行くようになってもう9年が経ちました。いつ訪れても、ここには穏やかな時間が流れていて、歩き走る人々の表情を笑顔にしてくれます。


私は、県立川和高校ちかくにある見花山かりん公園から緑道に入るのが通例です。緑道の起点はさらに南方の加賀原バス停わきのぎんなん公園にあり、ここまでピストンすることもあります。かりん公園近くには川和富士公園という小高い丘のある公園があり、らせん状に登ると富士山や運が良ければ南アルプスの峰までの遠望が得られます。

ピストンを終えたらいよいよ本コース。鴨池公園にはこどもたちが自由に遊べるログハウス「かもいけランド」があり、そのすぐ先は都筑中央公園へ至る道とささぶねのみちに分かれる三叉路になっています。ここの紅葉が道の端を流れる水路に映り込む様子にはいつ来ても魅了されるのです。

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[道端の細流に太陽光を浴びて明るい紅葉が映り込む。ちょうど映り込む場所と角度。そこから見える水面の景色はちょっと幻想的だ。]

まずは左手の道へ進んで都筑中央公園へ足を進めます。小道はなだらかな下りとなって水路に落ちた楓が光を浴びて妖しく光ります。

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[三叉路から都筑中央公園へ至る水路で]

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[都筑中央公園に至るアプローチ。道も水路も一面の落ち葉。]

都筑中央公園は小高い丘になっています。頂上にある円形のオブジェはこどもたちやカップルに人気のお弁当スポット。日当たりがよくてのんびりします。市営地下鉄のセンター南駅がすぐ近くで近代的なビル群も見えますが、ここは別世界です。

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[都筑中央公園のオブジェ。写真の背面にセンター南駅がある。]

三叉路まで戻って、ささぶねのみちに入ります。両側から覆いかぶさるほど樹木の豊かな未舗装路。ゆるやかなアップダウンがあり、右に左に緑の中を蛇行しながら走る心地よいエリアです。ここを毎日のように走り歩くことのできる人々は幸せです。

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[ささぶねのみち]

新たな景色が次々に現れます。落ち葉で埋め尽くされた谷があったかと思えば、細かった流れが池となり、そこには鴨たちが浮かんでいます。水鳥は、自分たちがどのような光の衣をまとって浮かんでいるのか意識しないのでしょうか。

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草地の広がる場所に出たら、そこは茅ケ崎公園。ここもおべんとうを広げるにはもってこい。なだらかな草地を駆け下りて、最寄りの茅ケ崎小学校のすぐ脇に、冒頭に掲げた赤と黄色のコントラストが印象的な楓があります。ここは地形的に陽の当たる時間帯が限られていて、今年は間に合わなかったのですが、紅葉の盛りの陽の光を浴びた姿は都筑緑道の中で一番の光景だと思っています。幸運に恵まれた数年前に撮影した写真です。

そのすぐ先から枝道「せきれいのみち」が分かれています。静かな住宅に隣接して小気味良い細道が続くお気に入りの場所です。ただ、道端の細流に惹かれてこの枝道まで辿っていると、緑道の中だけで20kmを超すロングランになってしまいます。残念ながらカットすることも多い「せきれいのみち」なのです。

メインルートに戻り、やがて、せせらぎ公園。近くに地下鉄仲町台駅もあって、アプローチが良く散策する人の多い公園です。大きな池があり、春に湖面が桜の花びらで覆いつくされたことがありました。そんなチャンスの再来を願って春にも走り行くのですが、わずかなそのタイミングにはその後なかなか恵まれません。

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[せせらぎ公園直前のトンネル越しに見た紅葉]

せせらぎ公園を通過して小道をどんどん走ります。アップダウンはますます多くなって、最後に長い下りを終えるとかなりあ公園。ここで緑道の南コースは終点です。地下鉄の東山田駅もありますから、南コースで切り上げるにも便利でしょう。

一旦、緑道の外に出て1kmほどで、北コースの入り口「のちめ不動」です。すぐ横にコンビニもあって、私はここで補給することが多いのです。北コースは南コースよりも簡素な造りですが、細い流れとともに緑豊かなエリアを走ります。風が穏やかな日なら、水面に映った逆さ紅葉も印象的です。

山田富士公園は川和富士同様の小高い丘で、疲れてきた脚には少々登り甲斐のある場所です。そして、徳生公園に至るとたくさんの水鳥が迎えてくれます。こちらが餌を持っていそうだと思うと一斉に私に向かって泳ぎ来るキンクロハジロたち懸命な姿はユーモラスでもあります。

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[水面に写り込んだ逆さ紅葉]

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[北コースを走る]

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[徳生公園のキンクロハジロ]

徳生公園を過ぎると道は一転して緩く長い上り。登りきったところが地下鉄中川駅で北コースの終点です。私はここから自宅へと帰ってゆくことが多いのですが、中川駅少し手前から南下して山崎公園のプチトレイルを走り、都筑中央公園に戻るルートもあります。都筑緑道は、南コースと北コースが大きな円をなした環状緑道でもあるのです。

実は街なかにある都筑緑道。普通に地図を見ただけではそこに豊かな緑道があることになど気が付きませんが、一歩足を踏み入れてみると、一度では探索しきれない嬉しい迷路が迎えてくれます。

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[都筑緑道マップ 横浜市都筑区の下記サイトから引用して一部改変。青色破線は当方で追加したコース。]


2021年10月16日

2021年09月12日(雨) 「熊野古道(紀伊路)だより」番外編 (後編) by いのこさん

さて、田辺市探索の番外編について、天神崎以降の後半です。

<前編は、こちら>

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ルートの概略(後半)
G天神崎 → H植芝盛平生誕地 → I出立王子跡 → 
J浄恩寺(和佐大八郎と備中屋長左衛門の墓) → 
K高山寺(熊楠と植芝家の墓)14:20解散 → 紀伊田辺駅14:40


G天神崎
天神崎は、田辺湾の北側に突き出した岬で、ナショナルトラスト運動の先駆けとして有名ですが、特別に貴重、あるいは希少な生物が多いわけではありません。しかし、「よそにもあるからと言って破壊を続ければ、どこにもなくなってしまう」、身近で普通の自然が存在していること自体が貴重とのこと。さすが、神社合祀反対運動を行った熊楠が暮らした土地柄です。

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海岸べりをほぼ一周するが、あいにくの雨。
碑には、「落ちる夕日は天神崎の遠く海原夕焼ける」(野口雨情)の歌がある。
いつかゆっくりと夕日を眺めてみたいところ。


H植芝盛平誕生の地
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掲示板以外には何も残っていない。

I出立王子跡(熊野九十九王子68番)
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出立王子から大辺路、中辺路の両道に分かれ、中辺路は険しい山路となります。
熊野への新たな出立という意味があるようです。中辺路へは、来年度に挑む予定。

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市内には、掲示板が多く、歩きやすい。
ただ古い城下町でもあり、意外と道は複雑(ここを曲がるとすぐに浄恩寺)。

J浄恩寺(和佐大八郎と備中屋長左衛門の墓)
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和佐大八郎は、江戸時代前期の紀州藩士。
紀州竹林派の弓術家で、1686年、京都三十三間堂の通し矢で総矢数13,053本の内、8,133本を当てて天下一に。
それにしても、放ちに放ったものです。
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備中屋長左衛門は、元禄年間に「備長炭」で大金持ちに。
なんだか、紀伊国屋文左衛門も頭に浮かびます。
備長炭は狭義にはウバメガシの炭のみを呼び、煙が出ず雑味が付かないため、鰻屋や焼き鳥屋などで重宝されます。
お米を炊くときに入れると、ビックリするような真っ白なご飯に。
ぜひお試しください。
品質の悪いものは、くれぐれもお避けください。

K高山寺(南方熊楠と植芝家の墓)
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山門をくぐると高台へと続く石段に。
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高台にある江戸時代の多宝塔が美しい。
長沢芦雪の「寒山捨得図」もあるらしい。

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南方熊楠と南方家の墓。
熊楠は生前にもよく訪れ、境内から数多くの隠花植物を採集したとのこと。

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植芝家の墓と、植芝盛平翁の碑。

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池に美しい蓮の花がわずかに2つ。

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参道に、なぜかアンモナイトの化石が、しかも、モロッコ産。
近くに貝塚があるとの説明もあるが、今ひとつ、奇妙な取り合わせ。
和歌山県人のお茶目さか、それとも・・・。

14:20 高山寺にて解散
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山門の前を流れる秋津川を渡り、さらに踏切を越えて、紀伊田辺駅へ。

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パンダの絵のあるバスが駅前を通過。
田辺市の隣にある白浜町には、中国以外では世界最多の飼育数を誇る「アドベンチャーワールド」(7頭)がある。
田辺駅からは、バスで30分ほどの距離だが、電車で白浜駅まで行くのが便利。
関東からは南紀白浜空港を経由して、バスで5分ほど。

田辺駅に戻る(14:40)  今日はこれでおしまい。
田辺からの「阪和道」は、千葉県の「館山道」に匹敵する渋滞高速で、急ぎ車で帰路に。
雨とコロナの影響か、思いのほか流れはスムーズでした。


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イノシシ一口メモ 「イノシシの牙@」

「猪突猛進」の言葉があるように、イノシシは勇ましいイメージがもたれています。そのためか、牙はしばしば誇張されて、なかには前に大きく突き出して描かれたものも見かけます。
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しかし、実際、イノシシはこの様な前に尖った牙を持ちません。また、犬歯が大きくなる牙は、年齢を重ねた雄のみで、雌にはありません。ウリ坊や雌の犬歯は唇に隠れて、外からはふつう見ることができません。このため、ウリ坊や母親に描かれる牙を見るのは、とても残念なことです。

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また、長く伸びる牙には、歯茎から出たところに黒い線がうすく付きますので、立派な牙のある剥製を見たときには注意して観察してください。実は、写真にある牙は上げ底で、この線が歯茎からずいぶん上にあります。獲物を立派にみせるため、牙を引き出して飾りたくなるのです。個人的な自慢としては微笑ましく思えますが、有名な博物館で同じ様なものを見たときはショックでした。
さて、写真を見て、イノシシの牙が後ろ向きに伸びていることに気づかれた人もおられることでしょう。その話は、次の機会に・・・。